摂食嚥下訓練に関する調査結果

0:回答者の臨床経験年数(人)

 経験年数 1年  2~3年  4~6年  7~10年  11年~  合計 
   2 9  7  11  16  45 

 ※所属は21の病院・施設



1.嚥下訓練症例数(平成27年4月1日時点での症例数) (人)

 入院 入所  外来  通所  訪問  合計 
 335 192 14  28  51  447 


2.1の内訳(ST開始時の状態で評価)※摂食嚥下患者における摂取状況レベル (人)

  Lv1   Lv2   Lv3    Lv4    Lv5    Lv6    Lv7    Lv8    Lv9   Lv10    合計 
 67  93  37  24  21  31  103 48  20  3  447 


3.入院(所)からST開始までの平均日数(1の症例数のうち入院患者及び入所利用者のみ) (日)

  最小値    最大値    平均値 
 0 175  13.3 


4.ST開始時の栄養管理方法症例数 (人)

  経口    経口+代替    経鼻    胃ろう    TPN    点滴    合計 
 168 59  48   57 36  75  443 

  ※不明4名


5.入院以前を含めて、食べられなくなってからST開始までの日数別症例数 (人)

 7日以内  8~30日   31~180日  181日~  計 
 93 40 48  38  219 

 ※不明228


6.VF・VEの実施歴 (件数)

 VE  VF   VE・VF  なし  不明     合計  
 14 84 16  208  67   389



7.最重要視していること (件数)

 1.本人及び家族の意思、QOL     23
 2.病前を含む患者の現状の把握    18
 3.安全性・リスク管理  15
 4.他職種との連携  12
 5.姿勢・筋緊張の調整   9
 6.口腔・嚥下機能の改善   7
 7.栄養状態   6
 8.本人・家族への指導   5
 9.その他  11
 計  106


8.困っていること (件数)

 1.アプローチにおける自身の知識・技量不足     24
 2.検査・評価    14
 3.他職種との連携  13
 4.拒食   9
 5.入院患者でない方への対応   7
 6.算定や施設の状況   7
 7.栄養状態   6
 8.本人・家族の意思と能力の乖離   5
 9.その他  13
 計  98


  調査結果のまとめ  
   項目1の結果の通り、入院患者に対する訓練が圧倒的に多いのは当然ですが、訪問リハとして訓練を実施している会員もいるように、今後は在宅における摂食嚥下訓練の要望は増えていくものと思われます。
 項目2・4 については病院・施設の種別によって異なりますが、Lv.1やLv.2といった重度の患者あるいは代替手段のみの栄養管理となっている患者に対する訓練の要望が多くあることが分かります。これは、重度の嚥下障害患者であっても「食べたい」「食べさせてあげたい」という要望が強いということが考えられます。当然STに求められるスキルについても高いものが必要となります。
 項目3・5についても病院・施設の種別によって大きく異なりますが、急性期の段階から嚥下訓練にSTが関わり始めることは今や当たり前といえます。しかし一方で経口摂取不能となって約半年を経過した患者に対しても訓練を実施していることも珍しくありません。
中には4年間何も食べていなかった患者に対して訓練を開始した症例もありました。228名の不明と判断された症例の多くもおそらくは経口摂取不能の期間が長期であることが予想されます。
 項目6のVE・VFの実施歴については「なし」あるいは「不明」と判断される症例が多く、病院・施設間の情報共有という意味では今後の課題であると感じます。
 最後に項目7・8については様々なコメントをいただきました。他職種との連携を重要視している一方で、連携がうまくいかないことで困っている会員が多いようです。その他、特に印象に残ったコメントを原文のまま掲載させていただきます。

<嚥下訓練関係で重要視していること>
「なるべく本人の嗜好に合ったもので直接訓練を行なう」(経験年数2~3年)
「頚部音・肺音をしっかり聴くようにする」(経験年数4~6年)
「なるべく最後の一口まで関わりたいと考えています」(経験年数11年以上)

<嚥下訓練関係で困っていること>
「口腔顔面の失行のある患者の間接訓練方法」(経験年数1年)
「筋緊張の高い患者と低い患者での訓練の方法は違うと思うが、そもそも筋緊張の評価ができていない」(経験年数2~3年)
「看護師の協力がない。仕事量軽減のため、STに丸投げされる」(経験年数11年以上)

 最後になりましたが、今回の調査にご協力いただきました会員の皆様にお礼を申し上げます。特に経験年数11年以上の会員からの回答が多く頂けたことは大変ありがたく感じています。今後も職能局では会員のスキルアップにつながる調査を実施したいと考えていますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。